ひょんなことから手に入れた.
戦前のカメラを使うのは初めて。
調べてみると、これは1930年代前半のカメラ。
70年前のカメラだがコンパーのシャッターも
しっかり動いている。
フィルム巻き上げ方式はすでに現代のローライ
フレックスと同じクランク巻上げ。
レンズはTessarの75mm F3.8。
戦前のローライフレックス・スタンダードには
明るさの違う3種類のTessar(F4.5、F3.8、F3.5)が
あるが、なかでもこの3.8のTessarの評判は
あまり芳しくないようだ。
実際に撮ってみると、全体的にに低コントラストで
フレアがかかったようなソフト描写。
とはいえ、よく見ると芯はある... 
これを「レンズの味」として評価するか否かは
微妙なところだが... 
順光で少し絞り込むと Tessar らしいメリハリの
ある写りになってくる。画面周縁部の画像の崩れも
Triotarに比べれば小さい。
しかしノンコートだから仕方がないとは思うが
このレンズは恐ろしく逆光に弱い。画面内に
ちょっとした光源や反射があるだけで途端にフレア
が発生する。
フィルムをセットし裏蓋を閉め、先ず6×9用の「1」が
出るのを底部の赤窓で確認してからカウンターを
「1」にセットしクランクで巻き上げる。
当時のブローニーフィルムには裏紙に6×6用の
数字が打っていなかった為に、苦肉の策として
この方式が開発されたらしい。
しかしその後、1937年にはすでにオートマット方式に
なるわけで、この辺りの技術力はすごい。
右手で巻き上げ左手でフォーカシングをする構造は
現代のローライフレックスと同じ。
しかしこんなふうに左右に分かれると、ボディを
支える手を入れ替えなければならないので
とても使い勝手が悪い。
このボディはネックストラップで、あるいは三脚で
支えるのが正しい使い方なのだろうか。
シャッターレバーは右方向へチャージし、左方向に
シャッターをきるだが、ブレやすく、ヘタすると
撮影レンズに指が被ってしまう。
ファインダーはさすがに暗いし、ルーペもあまり
使いモノにはならない。
ファインダーカバーは御覧の通り、素通しのスポーツ
ファインダーになるのだが、中心の円の部分に
ミラーがあり、ここに瞳の中心が映るように構えると
被写体が枠のなかに収まるというわけだ。
実際にやってみると... なんだか気味が悪い。
自分の瞳が視野の真ん中に登場するというのは...

とにもかくにも、70年前のカメラが実用になるとは
恐れ入る...
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Franke & Heidecke
Rolleiflex Standard
Carl Zeiss Tessar 75mm F3.8
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